たまに不自然な所に街灯が立っている事がある。何かを照らすために設置したと思われるが、多くは草むらの中で取り残されたように存在している。まるで自力でたどり着いたかのようにひっそりと立っているようにも見える。

日常から離れて孤立する物や場所は、現実から遠ざかろうと振る舞ってみせる。さながら現実と非現実、この世とあの世を振り子が揺れるように行き来しながら彷徨っているのである。